人生における登場人物モハメド・アリ、カール・アンダーソン。

モハメド・アリが亡くなりました。

私たちの世代にとっては不思議なヒーローでした。みんなにとっての、人生における登場人物と言ってもいいかもしれない。一度だけ会ったことがあります。亡くなったという一報に、思わず自分の人生を振り返った人も多いはずです。
最近復刻されている私の最初のアルバム「Time No Longer」で歌っているカール・アンダーソン、https://www.youtube.com/watch?v=KwYERT0zE-Q、奥さんが、以前アリの奥さんだったベロニカで、LAのベニス運河沿いの家に何度か行きました。のちにボクサーになった娘さん(アリの)が高校生くらいで一緒に住んでいました。カールはその後、私の日本ツアーでもボーカルを務めてくれた人。政治的なこと、人種差別のこと、宗教のことなど何度も話し合いました。クルセーダースのジョー・サンプルもそうだったのですが、黒人側からのアメリカを私に繰り返し教えてくれた人でした。カールもムスリムに改宗していて、アブ・カリル(カリルの父親)というムスリム名を時々使うことがありました。奇妙ですが、映画ジーザスクライストスーパスターでユダ役をやっていた人です。
彼の声をこの曲のレコーディングで最初にスピーカーを通して聴いた瞬間に、ああ、アメリカに来た、と感じたのを今でもはっきり覚えています。
カールは扉を開けてくれた人。白血病で亡くなる直前、電話で話していて、I’ve got bad deal, Kazu.と言ったVoiceが耳に残っています。葬儀では、ナンシー・ウイルソンが弔辞を述べ、その弔辞がいつの間にか歌になっている、という、スピリチュアルが生まれる瞬間を目の当たりにするような経験をしました。スティービー・ワンダーも弔辞を述べて歌いました。

Time No Longerは、いまの私に語りかけてくるような暗示的なアルバムです。

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