アメリカの道祖神が亡くなった。

RBG(Ruth Bader Ginsburg)ルース・ベイダー・ギンズバーグ米国最高裁判事が逝った。八十七歳だった。連邦議会の国旗が半旗になり、最高裁の前にロウソクが並び始め、日を追うごとに柵のまわりが花束とメッセージで埋めつくされていく。

アメリカの道祖神が亡くなった。

そんな気がする。

男女同権を目指す闘志だったが、男性的パワーゲームには巻き込まれない、ジェンダーの意味を知っていた賢者だと思う。だからこそ、保守系が多数を占める九人の最高裁判事の中で、保守系の男性判事からも尊敬を集め、畏れられ、友情を育んだのではないか。イデオロギーを超える「人格の力」に説得力があった。

九人のうち女性判事は三人、インタビューで、最高裁の判事のうち、何人が女性であるべきだと思いますか、という質問に、「九人」と答えている。性的役割分担を知っていた人だと思う。最高裁判事が九人とも女性だったら、アメリカという国の混沌はこれほど危険な状況にはなってはいなかった、私もそう感じる。想像でしかないのだが、そこに一つの真理があると思う。

この時期に逝くことによって、分断の恐ろしさ、政党政治の醜さ、ポピュリズムが選挙を動かす民主主義の危うさを浮き彫りにしているような、不思議なタイミング、去り方だった。

彼女の残像によって、進むべき道も、示されている気がする。

https://news.yahoo.co.jp/byline/saruwatariyuki/20200920-00199134/

ギンズバーグ判事

 

私は、保育界で道祖神たちから様々なことを教わり、その絶対的存在感に後押しされ、その意図をうかがいながら、考えている。携帯の中には自分で撮った道祖神コレクションがある。保育界は特に、神を育てる場所なのだと思う。幼児という神々と日常的に向き合い、その影響を受ける場所なのだと思う。

私の道祖神たちは、全員女性だった。九十歳を超えた道祖神は、歩いているだけで、座っているだけで園を治めていた。子どもたちだけではなく、親たちの心を見事に鎮めていた。

(参考ブログ)

ゾウがサイを殺すとき/園が道祖神を生む/チンパンジーとバナナ/犬にはちゃんと法律が出来たのに