大鼓(つづみ)を中心に:人間がお互いの結果を分かち合っていることを確認する

#5b
 ディジュリドゥ奏者のノブ君と重ねているセッションのテイク#4です。以下のアドレスにアップしました。お聴きいただければ幸いです。
今回は、日蓮宗のお寺「池上實相寺」にて、鼓奏者の大倉正之助さんをゲストに迎えての即興演奏です。ノブ君は、大倉さんと何度か共演してきたそうですが私は初めてでした。もちろんこの楽器の組み合わせも初めてで、こうした音楽における即興セッションの可能性が、人類の多様性と同時に心の合わせ方、その可能性を体現できたらいい、と思います。
コロナウイルスの問題をきっかけに世界中であからさまになっていく人種間、階層間など様々な分裂を見ていると、多様化とかグローバル化とか言葉と概念ばかりが先に立って、結局先進国は経済優先の損得勘定の価値観に支配されつつあったんだな、と思います。
どこか出発点あたりでみんなつながっている、次元はいろいろあって、異なる次元を行き来できることがハーモニー(和音)となって現れる。和音は、決して倍音とか法則に縛られない……。不思議な組み合わせで即興演奏をしていると、そんなことに気づくのです。
私は、長い間、その調和の原点を「幼児を眺めること」「赤ん坊と会話をすること」と言い続けてきました。
言語以前のところでつながっていないと、人間社会は非常にもろい。

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沈黙の中で遺伝子は進化し、音楽は、人間がお互いの結果を分かち合っていることを確認するために用意されている……。セッションの合間にそんなことを考えます。このコミュニケーションの次元が存在することを喜び、人間は、その時々に道筋を確認する。