まだ、わかってくれる。中学生くらいから説明するといい。

「十数年前に私立保育園の定款にサービスという言葉が入れられた時、違和感を感じた園長は多くいました。それでも少子化対策(エンゼルプランなど)の掛け声のもと、保育は政府の雇用労働施策に取り込まれてしまった。社会で子育て(実態は保育園で子育て)がいいと言う学者の意見にマスコミも同調してしまった。」という私のツイートに、

「まあとりあえず来年度の保育士採用状況次第ですな。関東圏では東京都の保育士優遇策によって、保育士が東京に一極集中し、悲惨な状況になることが予想される。また地方も東京などの大都市圏の業者によるリクルートで過度の保育士不足になるおそれが。物理的保育崩壊が進むと思われる。修正があるやも。」とツイートが返ってきました。

都会のお金のある自治体の、地方はどうなってもいい、というような待遇改善施策(月八万円の居住費補助など)と青田買いによって、地方の保育士不足はより一層深刻さを増しています。加えて、恒久財源を確保しにくい財政危機を抱え、地方の、特にいままで公立保育園主体にやってきた小さな市の課長さんたちは腹立たしさの中で必死に頑張っている。公立も職員の半数以上が非正規という地域がほとんどです。正規で雇えば倍率は出ますが、財政削減=非正規雇用化という流れになっています。

「地方では、すでに保育士不足と、0歳児を預けたいという親の急増で混乱しています。都会からの無節操な青田買いもありますが、いま枠を広げても財源が続くか見えない。市町村にも財源負担はある。切羽詰まって、役人が0歳保育を求める保護者一人一人に面接して、説得すると半数はわかってくれる。」と私。すると別の人が、

「半数はわかってくれる。まだ希望はあるのかな。」

『びっくりしますよ。希望がある、というより、0歳児を預けたい親たちの意識が「ニーズ」より「預けたい」であることが多い。三年前の国のニーズ調査でもそれは顕われていたのですが、誰かが親身に乳児と親の関係について説明し、市の財政や保育士不足を真剣に訴えれば、納得する親は相当いるのです』と私。

『大事なことを「知らない」親、「預けて働くのがスタンダード、乗り遅れたら負け組」と思い込んでいる親が、たくさんいるような気がするんですよね。親になる前に、そういう勉強の機会があるといいなと思います。』とその方から返信。

『この種の、「大事なこと」を説明するには中学生くらいが良いと思うのです。感性がまだあって、不思議な次元を理解するのです。ブログに、

「中学生の保育士体験:http://kazu-matsui.jp/diary2/?p=260 

「中学生は理解してくれる:http://kazu-matsui.jp/diary2/?p=726 」を書きました。」と書きました。

このくらいの年齢で幼児との自然な体験を繰り返し味あわせてあげると、人間の遺伝子は、ちゃんとオンになってくる。そうした大自然の流れに沿った親心の耕し、人間性の耕しをしていけば、自然治癒力は必ず働く。

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国会で、海保の職員、警察官、自衛隊員に敬意を表しましょうと首相が議員に起立・拍手を呼びかけ、小泉進次郎氏も「不自然」と言っていました。たぶん、保育士、教師、育てている親たちに敬意を表しましょう、と言って拍手していればそんなに不自然ではなかったと思います。国の守り方にはいろんな次元があって、政治家はその優先順位を知っていてほしい。

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